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全館空調とは?メリットやデメリット、使う際のポイントまで徹底解説!

2023.10.06 技術・性能
全館空調とは?メリットやデメリット、使う際のポイントまで徹底解説!

「全館空調を取り入れると電気代は高くなる?」「全館空調って導入にいくらかかるの?」全館空調を取り入れる一般住宅は増えていますが、電気代や導入費用など気になる点は多いのではないでしょうか。当記事では、全館空調のコストや仕組み、メリット・デメリットを詳しくご紹介します。全館空調を導入すべきか迷っている方は参考にしてみてください。

全館空調とは?

全館空調とは、家屋内の室温を一括で均一に管理できる冷暖房システムのことです。居室だけでなく、トイレや浴室・廊下といった非居室を含む建物全体の室温を寒暖差なくキープします。全館空調は冷暖房効率が良いため次世代型空調システムとして注目されており、導入も進んでいます。
ただし全館空調は、高気密・高断熱の住宅でないと本来の機能を発揮できません。後付けで全館空調を取り入れる場合は、高気密・高断熱の省エネリフォームが同時に必要です。メーカーによっては、室内機を設置するため畳半畳ほどの空調室やダクトスペースが必要です。全館空調の設置は家の設計とセットで考える必要があるため、設計コストも上がる場合があります。

全館空調システムの種類

全館空調システムは主に、次の4種類に分けられます。
居室内に1台(広さによっては2台)の空調室内機をセントラル化して、居室全体を冷暖する方式は共通です。

①天井吹き出し型

天井吹き出し型

費用相場は150~300万円、全館空調で一般的なタイプです。 天井に専用のエアコンと換気扇を設置し、ダクトを通じて各部屋の天井の吹き出し口から冷暖風を送ります。

②床下冷房型

費用相場は100~150万円、床下の基礎部分を断熱して冷暖気を蓄熱し、床からの輻射熱(ふくしゃねつ)とガラリによる送風で家全体を冷暖する方式です。床下に暖房のためのエアコン、小屋裏に冷房のためのエアコンを付けるタイプもあります。

③壁パネル輻射型

費用相場:100~300万円、室内に冷温水が流れるパネルを設置し、パネルからの輻射熱で家全体を冷暖します。

④壁掛けエアコン型

費用相場:150万円以下、各部屋の間仕切りに採風場所を設け、1台の高性能エアコンから冷暖風を送りダクトを通じて家全体を冷暖します。

全館空調のメリット

全館空調のメリット

1.家全体の温度を一定に、快適に過ごせる

全館空調のメリットは、1年を通して家全体を一定の温度に調整できること。家のどこにいても寒さや暑さを我慢することなく、年中快適に過ごせます。またペットが長時間留守番するときも部屋全体が一定の温度なので、暑さでダウンしてしまう心配が不要です。家族が、寒暖による健康被害を受けず健康的に過ごせる冷暖房システムと言えるでしょう。

2.空気がきれいな状態をキープできる

全館空調は冷暖房だけでなく、高性能な換気機能があるタイプも多くあります。一般的な住宅に備わっている換気システムは、換気口から外気を取り入れるタイプです。寒い時は換気口を塞いでしまうことがあり、換気が不十分になることもあるでしょう。全館空調は機械換気で確実に換気を行うため、屋内の空気が「密」になりにくいです。換気をきちんと行うと、シックハウスなどのリスクから住む人を安全に守るだけでなく、花粉や黄砂の室内への侵入も防いでくれます。

3.室内外の美観が整う

冷暖房機器が少ないため室内外の美観も整います。全館空調は一般的な壁掛けエアコンに比べて室内に露出する冷暖房機器が少なく、美観を損ねません。部分間欠冷暖房のように他の部屋と空気の流れを遮断させる必要がないため、吹き抜けやリビング階段など解放感のある間取りを採用できます。仕切りも最低限まで減らせるため、間取りや内装のデザインも幅が広がるでしょう。

4.メンテナンスの手間を減らせる

設置する空調機器の数が減るため、メンテナンスの手間を減らせます。ストーブ、ファンヒーターが不要となり、出し入れの手間もありません。頻繁なメンテナンスが面倒な人は、全館空調がおすすめです。(フィルターの取り換え時期については各メーカーによって異なるので事前に確認しておきましょう)

5.ヒートショックを防げる

ヒートショックは急激な気温差によって血圧が変動し心臓に負担をかけてしまうのですが、全巻空調の場合は家の中の寒暖差がないので冬場に起こりやすいヒートショックのリスクを下げることが出来ます。併せて夏場の室内での熱中症といった健康リスクの予防も期待できます。

全館空調のデメリット

全館空調のデメリット

1.導入費用が高い

全館空調の導入コストは150~300万円と導入が高額になる場合が多いです。(メーカーや種類、機能性、家の広さ次第で価格の変動はあります。)導入費用はかかりますが、長期的に考えると全館空調の最適な温度コントロールで月々の電気代を抑えることもできます。建物条件や環境・使用状況による差はあるものの、電気代が抑えられれば導入費用の負担を軽減できるでしょう。

2.高気密・高断熱の住宅に導入する必要がある

全館空調は基本的に24時間、家中を冷暖房します。そのため、高気密・高断熱のように建物を隙間を密にして空気の出入りを少なくしたり、断熱素材を使った家でないと、家全体を適温にするため消費する電力が多くなり、電気代が高くなってしまう可能性があるので注意しましょう。また、より電気代を節約したい場合は、設定温度を調整や、太陽光発電を設置していただくのもおすすめです。コストを下げ、快適に過ごすために高性能住宅を検討することも視野に入れてみましょう。

3.乾燥しやすい

全館空調は乾燥しやすいと言われています。特に、冬場は設定温度よりも高い温度の送風で湿度を奪うことが、乾燥を感じる大きな原因です。気流が当たることによる乾燥の影響で、喉の痛み・乾燥肌を引き起こす可能性もあります。加湿器で、湿度を40~60%の間で保つ対策がおすすめです。また加湿機能つきの全館空調を導入することで、乾燥は緩和されます。

4.送風タイプは臭いが広がりやすい

送風で家中の温度差をなくすタイプの全館空調は、臭いも一緒に家中に行き渡るのが難点です。24時間換気システムも作動しているため次第に解消されますが、家中の空気が入れ替わるには2時間かかります。トイレ、浴室、キッチンや生ごみ置き場など、強い臭いが発生する場所は換気扇の設置が有効です。それでもニオイが気になる場合は、窓を開けて換気しましょう。風を伴わない輻射パネル型(無風タイプ)はニオイが家中に広がることはありません。

5.部屋ごとに温度設定できない

ほとんどの全館空調は、部屋ごとに温度設定ができません。快適な温度や体感は人によって差があり、全館空調が最適解ではない場合もあるでしょう。近年登場した、フロアや部屋ごとに温度設定できる全館空調の導入を検討するのも一つの手です。

全館空調を使うときの4つのポイント

全館空調には使用する際のポイントがあります。効率的な使い方を知らず電気代がかさんでしまうと、導入したことを後悔するかも知れません。

ポイント1:こまめにON・OFFしない

電気代を気にするあまり「こまめにON・OFF」するのはやめましょう。最も電気を使うのは電源を入れた時です。適温になったらOFF、暑くなったらONを繰り返すと消費電力は増えます。長時間稼働を気にして、一気に温度調節して電源を切るのもやめましょう。室温を設定温度に調節するには時間がかかるため、効率的な使い方とは言えません。基本的に24時間電源は入れたままにしましょう。

ポイント2:春・秋はOFFにする

気温が安定して心地よい季節は冷暖房機能をOFFにしましょう。換気機能はONをキープします。高気密・高断熱住宅は隙間から自然と換気されることがないため、室内の空気が段々と汚染されるのです。ダクト内にカビが発生する恐れもありますので、換気機能は365日24時間電源は入れたままにしてください。

ポイント3:高気密・高断熱の住宅

全館空調を採用する場合は、高気密・高断熱の住宅であることが大前提です。スキマから外気が出入りすると室温維持に多くのエネルギーが必要になり、電気代が高くなってしまいます。事前に、家の気密施工や気密測定を依頼してください。

ポイント4:アフターフォロー

全館空調の導入時は、積極的にメンテナンスを行うアフターサービスの充実した会社を選びましょう。メンテナンス費用や保証システムも、事前に確認してください。故障した場合を考えて、24時間体制でコールセンターが対応してくれる会社なら安心です。

まとめ

まとめ

全館空調の仕組みや導入した場合のメリットとデメリットについてご紹介しました。全館空調を上手に使うことで、快適に暮らせるだけでなく電気代も節約できます。今井産業では、高気密・高断熱を特徴としており、断熱性能のトップレベルの基準の家づくりを行っています。全館空調との相性が良く快適で暮らしやすい住環境をご提供させていただきます。全館空調のお家につきましてもお気軽にお問合せください。